← ブログ一覧へ

球速が上がらない原因は?少年野球で伸び悩む子に親ができること

公開 2026.08.22投手専門コーチ 野村亮太

夕焼けを背にしたグラウンドで、少年野球のピッチャーがマウンド上にひとり立ち、手にしたボールをうつむいて見つめる逆光のシルエット。球速の伸び悩みに静かに向き合う姿。顔は帽子のつばの影と逆光でわからず、帽子もユニフォームも無地

球速が上がらない…がんばっているのに、なぜ?

お子さんのことで、こんな悩みはありませんか。

  • 毎日練習しているのに、球速が上がらない
  • 少し前から球速が伸び悩んでいる
  • まわりの子はどんどん速くなっている気がする

「がんばっているのに結果が出ない」のは、見ていてつらいものですよね。

つい「もっと投げ込め」「腕を鍛えろ」と言いたくなります。

でも、その声かけが逆効果になることもあるのです。

この記事では、球速が上がらない原因と、家でできることをやさしくお伝えします。

元独立リーグの左腕投手として

はじめまして。投Laboの野村亮太です。浦和学院、大東文化大学を経て、独立リーグで左投手としてプレーしていました。

私は体が大きいわけでも、力が強いわけでもありません。それでも投げられたのは、腕の力ではなく全身の使い方で速さを出すことを覚えたからです。

だからこそ、球速は「がんばり」だけでは上がらないと、身をもって知っています。

結論: 球速が上がらないのは「投げ込みが足りない」からではなく、多くは体の使い方に原因があります。

  • よくある原因は、下半身を使えていない・体が硬い・力みすぎ・量ばかりで回復不足、の4つ
  • 腕を強く振るほど速くなるわけではなく、速さは全身の連動から生まれる
  • どれが原因かは子どもで違う=動画で見るのが確実です

そもそも、球速は何で決まるのか

まず知ってほしいことがあります。球速は、腕の力だけでは決まりません。

速いボールは、下半身→体幹→腕→指先という順番で、力がなめらかに伝わって生まれます。

体幹とは、お腹や背中まわりの胴体のことです。

この力の流れは「連動」と呼ばれます。どこかで切れると、力が途中でもれてしまうのです。

イメージは、ムチを振る動きに近いです。根元(下半身)から先端(指先)へ、順番に力が伝わって、先が最後に走ります。

だから、腕だけを速く振ろうとしても、球速は上がりにくいのです。くわしくは球速アップの5つのポイントにまとめています。

球速が上がらない、よくある4つの原因

「連動」のどこがうまくいっていないか。よくあるのは、次の4つです。

球速が上がらない4つの原因を4つの区画に分けた図。左上「下半身を使えていない」、右上「体が硬い(動く範囲)」、左下「力みすぎ・体が開く」、右下「量ばかりで質が不足」。下部の帯に「速さは、下半身から指先までの連動で決まる」の一言

順番に見ていきましょう。

1. 下半身の力を使えていない

一番多い原因です。腕は速く振れても、下半身の力を使えていないと、球は速くなりません。

後ろ足(軸足)でためた力を、踏み出す動きでボールへ伝えます。この土台が抜けている子は多いのです。

下半身の使い方は下半身で投げるとは?でくわしく解説しています。

2. 体が硬い(動く範囲がせまい)

股関節や肩甲骨、胸まわりが硬いと、力の通り道がせまくなります。

すると下半身の力が途中で止まり、腕だけの投げ方(手投げ)になりがちです。

体の柔らかさは、球速にもケガ予防にも効きます。球速に効く体の柔らかさも読んでみてください。

3. 力みすぎ・体が早く開く

「速く投げよう」と力むと、かえって球は速くなりません。

力むと体が早く開き(胸が早く打者へ正面を向き)、下半身の力が腕まで届かなくなるからです。

力を抜いたほうが速く投げられる理由は脱力して投げると速くなる理由へ。体の開きは「体が開く」原因と直し方でくわしく扱っています。

4. 「量」ばかりで「質」と回復が足りない

たくさん投げれば速くなる、とは限りません。

疲れたまま投げると、フォームが崩れ、悪いクセがつくこともあります。回復や体づくりの時間も、伸びるためには必要なのです。

大切なのは、どの原因かを見極めることです。 子どもによって、つまずいている場所は違います。

知っておきたい「球速は階段では上がらない」

もうひとつ、大事なことがあります。

球速は、毎月きれいに上がり続けるものではありません。伸びる時期と、止まる時期をくり返しながら上がっていきます。

とくに身長がぐんと伸びる時期は、体が一時的にうまく動かせず、球速が止まって見えることがあります。

これは失敗ではなく、成長の途中で自然に起こることです。

だから「止まった=がんばりが足りない」と決めつけないであげてください。あせりは力みを生み、かえって逆効果になります。

家でできる、球速を伸ばすためのこと

球速アップというと、投げ込みや筋トレを思い浮かべがちです。

でも、家でできる土台づくりのほうが、遠回りに見えて近道になります。

  • 股関節・肩まわりのストレッチ:体の動く範囲を広げると、力が伝わりやすくなります
  • シャドーピッチング(ボールを持たず投げるまねをする練習):力を抜いて、下半身から動く感覚を確かめます
  • 体幹・下半身の体づくり:重いものより、自分の体重を使った運動から
  • 十分な睡眠と栄養:体が育つ時間そのものが、球速の土台になります

痛みがあるときは、投げ込みで解決しようとしないでください。

無理に投げるより、まず休むことが先です。痛みが続くなら整形外科(できればスポーツ整形)で見てもらいましょう。

よくある誤解:たくさん投げ込めば速くなる

「球が遅いのは、投げ込みが足りないから」——これは、少年野球でよく聞く考え方です。

でも、投げる量だけを増やしても、球速は上がりにくいものです。

崩れたフォームで反復すると、悪いクセが体にしみつくこともあります。投げすぎは、肩やひじのケガにもつながります。

私は、根性論では球速は上がらないと考えています。速さを生むのは、量ではなく体の使い方です。

投げる量とのつき合い方は投げ込みは必要かでくわしく書いています。

動画を見ないと、伸びない「本当の原因」は分からない

ここまで、球速が上がらない原因を4つ紹介しました。

でも、どの原因でつまずいているかは、子どもによって違います

下半身なのか、体の硬さなのか、力みなのか。ここを取り違えると、練習してもなかなか伸びません。

しかも、投球は一瞬の動きです。何が起きているかを、その場で肉眼から見抜くのはとても難しいのです。

同じ「球速が上がらない」でも、直す場所は一人ひとり違います。だからこそ、フォームを動画で見ることが近道になります。

投Laboの無料フォーム分析では、お子さんの投球動画から、どこで力がもれているかを一緒に探します。

「がんばっているのに球速が上がらない」という方は、まず一度お子さんのフォームを見せてください。無料で登録して動画を送るところから始められます。

自宅での動画の撮り方は、スマホでできる投球フォームの撮り方・見方も参考にどうぞ。

まとめ

球速が上がらないのは、がんばりが足りないからではありません。

大事なポイントを、もう一度おさらいします。

  • 球速は腕の力ではなく、下半身→体幹→腕への連動で決まる
  • よくある原因は、下半身・体の硬さ・力み・量のとりすぎの4つ
  • 球速は階段状には上がらない=止まる時期は自然なこと
  • どこが原因かは子どもで違う=動画で見るのが確実

まずは、お子さんの投げる姿を動画に撮ってみてください。

そこから、その子だけの伸びしろが見えてきます。

よくある質問

Q. 毎日投げ込ませていますが、球速が上がりません。何がいけないのでしょうか?

投げる量が原因の可能性があります。疲れたまま投げるとフォームが崩れ、悪いクセがつきやすくなります。まずは量を見直し、下半身の使い方や体の柔らかさなど「質」を整えることをおすすめします。どこでつまずいているかは、無料フォーム分析で一緒に確認できます。

Q. しばらく球速が止まっています。このまま伸びないのでしょうか?

止まる時期があるのは自然なことです。球速は階段状に上がり、とくに身長が伸びる時期は一時的に停滞して見えます。あせって力むと逆効果になりやすいので、体づくりを続けながら待つことも大切です。長く止まって不安なときは、フォームに原因がないかを動画で見てみましょう。

Q. 筋トレをすれば球速は上がりますか?

筋力も大切ですが、まずは体の使い方が先です。力を伝えられないと、筋肉があっても球速にはつながりません。成長期は重いものを使うトレーニングより、自分の体重を使った運動や柔軟性づくりから始めると安心です。

Q. 親は球速アップのために何をしてあげればいいですか?

一番は「あせらせないこと」です。球速が止まっても責めず、睡眠や食事など体が育つ環境を整えてあげてください。そのうえで、フォームに原因がないかを一度プロに見てもらうと、遠回りを減らせます。まずはお子さんのフォームを動画で見せてください。