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少年野球の連投は大丈夫?休養日の目安と肩肘を守る球数管理を投手専門コーチが解説

公開 2026.07.19更新 2026.10.25投手専門コーチ 野村亮太

夕暮れのグラウンドのマウンドで、少年野球のピッチャーが投げ終えてグラブを胸に抱え、一息ついて遠くを見つめている様子

「土曜も日曜も試合で、朝から晩まで投げていた」。少年野球では、めずらしくない光景ですよね。

でも、ふと心配になります。連日投げて、うちの子の肩や肘は大丈夫なんだろうか、と。

こんにちは。投手専門オンライン野球塾・投Laboの野村亮太です。元独立リーガーの左投手として、また指導者として、たくさんの小・中学生の投球を見てきました。

この記事では、連投(連日・連戦で投げること)はなぜ危ないのか、そして投げたあと何日あければいいのか(休養日の目安)を、野球未経験の保護者にもわかるように解説します。

結論: 子どもの肩肘で気をつけたいことのひとつが、「疲れがたまった状態で投げ続ける連投」です。

カギは球数だけでなく休養日。多く投げた日ほど、次に投げるまで日をあけます(目安は下の図)。3日続けて投げない、週末の掛け持ちや同じ日の連投にも注意しましょう。

【医療注意】 この記事は一般的な目安の紹介で、診断や治療の指示ではありません。球数や休養日の数字はあくまで目安で、体格や成長には個人差があります。

肩・肘に痛みや違和感があるときは、まず投げるのをやめてください。痛みが強い・くり返す・気になるときは、様子を見ずに早めに整形外科(スポーツ整形)を受診してください。

なぜ「連投」が肩肘に危ないのか

投げるたびに、肩や肘には負担がかかります。ひと晩ぐらいでは、その疲れは完全には抜けません。

疲れが残ったまま、次の日もまた投げる。それが積み重なると、負担が抜けきらないうちに、次の負担が乗っていきます。

とくに小学生は、骨も関節もまだ成長の途中。大人より、投げすぎの影響を受けやすい時期です。

実際、投げすぎが関係する野球肘は11〜12歳ごろに増えやすいとされ、痛める子の多くは投手や捕手です(→子どもの投げすぎサインと球数の目安)。

だからこそ、1日の球数と同じくらい、「何日あけるか」が大事なのです。

投げた球数で「休養日」を決める(目安)

「何球投げたら、何日休む?」の目安として、世界で広く使われている考え方があります(MLBとアメリカ野球連盟が示すもの)。

投げた球数が多いほど、次に投げるまで長くあける。とてもシンプルな考え方です(小学生年代の目安)。

投げた球数ごとに、次に投げるまであける日数の目安をタイムラインで表した図。〜20球は翌日投げてもよい、21〜35球は中1日、36〜50球は中2日、51〜65球は中3日、66球以上は中4日。加えて、球数に関わらず3日続けて投げるのは避ける

1日に投げた球数次に投げるまで(目安)
〜20球翌日投げてもよい
21〜35球中1日あける
36〜50球中2日あける
51〜65球中3日あける
66球以上中4日あける

(表の「中1日」は、1日はさんで翌々日から投げる、という意味です。中2日なら2日はさみます。)

数字はあくまで目安です。体調や成長には個人差があります。とくに低学年ほど、この目安より少なめ・休養は長めに考えると安心です。

なお、この考え方では7〜8歳は1日50球までが上限です(表の51球以上の行は、9歳以上の目安です)。

「これだけ休めば絶対に安全」というものではありません。そして球数に関わらず、3日続けてマウンドで投げるのは避けましょう。

見落としがちな「週末の落とし穴」

平日はしっかり休めていても、週末にまとめて負担がかかることが多く見られます。次の3つは要注意です。

  • 試合の連投:土曜も日曜も先発(試合の最初から投げること)。1試合ぶんの球数はルールの範囲内でも、2日続くと負担は大きい。
  • 同じ日に2試合:1日に2試合(ダブルヘッダー)で続けて投げる。これは避けたい投げ方です。
  • チームの掛け持ち:所属チームと選抜・クラブなど。別々のチームでも、肩は1つです。

親が見落としやすいのが、掛け持ちの球数です。片方のコーチが「今日は30球」と思っていても、子どもにとっては一日で60球ということが起こります。

だからこそ、その日・その週にトータルで何球投げたかを、親がざっくり把握しておくと安心です。

日本のルールも「連投」を制限している

日本の少年野球(学童)でも、投げすぎを防ぐルールが定められています。全日本軟式野球連盟の学童(小学生)の決まりは、おもに次のとおりです(団体や年度で違いがあります)。

ルール内容
1日の球数1日の合計で70球まで(4年生以下は60球まで)
1週間2026年から、週210球まで(4年生以下は180球まで)の上限も追加

表の70球(4年生以下は60球)は、試合で守る大会の決まりです。医学の目安は、これより少なめです。

日本臨床スポーツ医学会の提言では、小学生の全力投球は1日50球まで、試合も含めて週200球までとされています。1日2試合の登板も、禁止すべきとしています。

1日の上限(70球・4年生以下は60球)まで投げた日は、それだけで医学の目安の50球をこえます。試合では大会の決まりを守り、練習も合わせた全力投球は医学の目安もこえないように見てあげると安心です。

数字は団体や資料で少しずつ違いますが、投げすぎから体を守るという目的は共通です。大会の球数の決まりとは別に、上の休養日の目安も見てあげてください。

よくある誤解——「肩が強いから大丈夫」

いちばん心配なのが、「うちの子は肩が強いから、連投しても平気」という考え方です。

強いから大丈夫、とは言えません。肩の強さや「痛くない」だけでは、連投してよいかは決められないのです。

成長期の肩肘の障害は、痛みが出たときには、もう進んでいることも少なくありません(→成長期の肩の痛み)。

「痛くないなら投げていい」ではなく、疲れのサインが出たら休ませる。これが、長く野球を続けるためのいちばんの近道です。

親が気づける、疲れのサインの例です。

  • 寝ても疲れが抜けない・朝の機嫌が悪い
  • 食欲が落ちた・体が重そう
  • 肩や肘を気にするしぐさが増えた
  • 投げるフォームが、いつもより崩れている

元・独立リーガー左腕として伝えたいこと

私は、体も力も特別ではない左投手でした。だからこそ、投げすぎでフォームを崩し、肩肘に不安をかかえた時期があります。

いま思うのは、「もっと早く休んでいれば」ということです。連投して勝った1試合より、痛みなく続けられた時間のほうが、ずっと大きな財産になります。

投げすぎの根っこには、疲れた体で無理に腕を振る、という問題があります。しかも、軽く投げれば安心とは言えません。高校生投手10人の研究では、半分の力のつもりでも、ひじの負担の指標は全力時の約75%でした(→力みと球速の関係)。

休養と、負担の少ないフォーム。この2つが、子どもの肩肘を守ります。

投げたあとのケアと、フォームの見直しも

休養日をとりつつ、投げたあとのケアも習慣にすると安心です(→野球肘を防ぐアームケア)。

そして根本は、やはりフォーム。同じ球数でも、体の使い方しだいで肩肘の負担は大きく変わります。

ただ、そのフォームは——投げている本人も、隣で見ている保護者も、自分では意外と見えていないものです。

投Laboでは、スマホで撮った投球動画を投手専門コーチが分析し、保護者向け+お子様向けの2部構成レポートでお返しします。

初回の動画分析は無料です。カード情報も要りません。「うちの子の投げ方のクセや、力の入りすぎ」を、まず客観的に見るところから始めてみてください(→スマホでのフォーム動画の撮り方)。

まとめ

  • 気をつけたいのは、疲れがたまった状態で投げ続ける連投。
  • 球数だけでなく休養日が大事。多く投げた日ほど、次まで日をあける。
  • 3日続けて投げない・同じ日に2試合投げない・掛け持ちは球数を合算で。
  • 大会の決まり(試合の球数)と医学の目安(練習も含めた全力投球)は別の数字。どちらもこえないように見る。
  • 「肩が強いから平気」は禁物。疲れのサインが出たら休ませる。
  • 痛みや張りがあるときは投げず、気になるときは早めに医療機関へ(→子どもの投げすぎサインと球数の目安)。

連投をやめて休みを入れることは、サボらせることではなく、長く投げ続けるための準備です。子どもの肩肘を、いっしょに守っていきましょう。

よくある質問

Q. 試合で投げた次の日、また投げさせても大丈夫ですか?

投げた球数によります。目安は、36〜50球で中2日、51球以上なら中3日以上(20球ほどまでなら翌日でも大丈夫)。くわしくは上の図と表を参考にしてください。

球数が少なくても、3日続けて投げるのは避けてください。疲れや痛みのサインがあれば、球数に関わらず休ませましょう。

Q. 2つのチームを掛け持ちしています。球数はどう数えますか?

別々のチームでも、子どもの肩は1つです。両方の球数を合算して考えてください。

それぞれのコーチは、相手チームでの球数を知りません。その日・その週に合計で何球投げたかは、親が把握しておくのが安全です。

Q. 本人が「痛くないから投げたい」と言います。投げさせていいですか?

痛みがないことは、負担がないことと同じではありません。成長期の肩肘の障害は、痛みが出たときには進んでいることもあります。

「痛くないから」ではなく、球数と休養日の目安、疲れのサインで見てあげてください。少しでも痛み・違和感のサインや迷いがあるときは、無理に判断せず整形外科(スポーツ整形)に相談を(→成長期の肩の痛み)。

Q. 週にどのくらい休養日をつくればいいですか?

日本臨床スポーツ医学会の提言では、小学生の練習は週3日以内・1日2時間までが目安です。中学生・高校生は、週1日以上の休養日をとることとされています。

目安をこえる週は、家での練習も含めて、指導者と相談しながら投げない日を増やしてあげてください。連戦が続いた週は、その後に少し多めに休むと安心です。

休みは「サボり」ではありません。体が回復し、次にいい状態で投げるための大事な時間です。