野球を子どもに教えるのは難しい|親子でぶつからない教え方のコツ

教えると、つい熱くなってケンカになる
よかれと思って教えたのに、子どもがふてくされる。
「ちがう、こう投げるんだよ」とくり返すうちに、こちらもイライラしてくる。
気づけば、親子でケンカのようになっている。
そんな経験は、ありませんか。
「自分の教え方が悪いのかな」
「そもそも、親が教えないほうがいいのかな」
そう悩む保護者は、とても多いです。
でも、安心してください。
親が子どもに野球を教えるのが難しいのは、あなたのせいではありません。
【投Laboより】まず知ってほしいこと
私は、プロを目指す選手が集まる独立リーグで、左ピッチャーとしてプレーしていました。
今は小・中学生の投手を、専門に指導しています。
選手として、そして指導者として、たくさんの親子を見てきました。
そのうえで、はっきり言えることがあります。
わが子に教えるのは、他人の子に教えるより、ずっと難しい。
それは教え方が下手だからではなく、親子だからこそのしかたのない難しさです。
結論: 親が野球を教えるのが難しいのは当たり前です。うまくいくコツは「課題は1つ・過程をほめる・教えすぎない」の3つ。そして、正しいフォームは親でも見きれないので、動画で"外の目"を借りるのが近道です。
なぜ、親が教えると難しいのか
理由は1つではありません。多いのは、次の4つです。
- 距離が近すぎて、つい感情的になる
- 他人の子と、心のどこかで比べてしまう
- 子どもが、親には甘えて反発しやすい
- 「正しいフォーム」を見る目は、経験とは別のスキル
ひとつずつ、見ていきましょう。
つい熱くなってしまうのは、愛情の裏返し
わが子には、上手になってほしい。
その気持ちが強いほど、できないと歯がゆくなります。
他人の子なら「まあいいか」と流せることも、わが子だと流せません。
これは冷たいのではなく、むしろ愛情が深いからこそ起きることです。
子どもは、親にいちばん反発する
不思議なもので、コーチの言うことは素直に聞く子でも、親の言うことには反発します。
これは、親が「安心して甘えられる相手」だからです。
つまり、反発できるのは、信頼している証でもあります。
だからこそ、家では「先生」になりすぎないほうが、うまくいきます。
経験があっても、"見る目"は別もの
「自分も野球をやっていたから教えられる」と思う方は多いです。
でも、自分が上手にプレーすることと、他人の動きの課題を見つけることは、まったく別の技術です。
自分の感覚を言葉にして、子どもに合う形で伝えるのは、想像以上に難しいもの。
経験者の親ほど「自分のやり方」を教えたくなりますが、そこは少し立ち止まりたいところです。
親が教えるときの3つのコツ
難しいとはいえ、親子で練習する時間は、かけがえのないものです。
ぶつからずに教えるための、3つのコツを紹介します。
① 課題は、1つにしぼる
いちばん大事なコツです。
「肘を上げて、足を出して、体を開くな」と、一度にたくさん言っていませんか。
そう言われても、子どもは何を意識すればいいか分かりません。
「今日はこれだけ」と、直す所を1つにしぼりましょう。
的が1つになると、子どもは集中できます。
これは、投Laboが動画分析でも大切にしている原則です。
私たちも毎回、課題を「いちばん効く1つ」に絞ってお返ししています。
② 結果でなく、過程をほめる
「打てた・打てなかった」だけを見ていると、うまくいかない日はほめる所がなくなります。
そうではなく、取り組んだ過程に目を向けてください。
「最後まで腕を振れてたね」
「さっきより足がしっかり出てたよ」
できていた"動き"を具体的にほめると、子どもは自信を持って続けられます。
③ 教えすぎず、一緒に楽しむ
親が「先生」になりすぎると、練習は"やらされるもの"に変わります。
すると、野球そのものが楽しくなくなってしまいます。
教えるのは半分、一緒に楽しむのが半分くらいで、ちょうどいいです。
まずは親子でキャッチボールを楽しむ。
その中で気づいたことを、1つだけ伝える。
それくらいの軽さのほうが、子どもはよく伸びます。
よくある誤解:「経験者の親なら、教えたほうが上達する」
「自分は経験者だから、コーチより自分が教えたほうが早い」
そう考える方もいます。
でも、これは必ずしも正しくありません。
親が教えることには、これまで見てきたような難しさがあります。
さらに、チームのコーチと教える内容がちがうと、子どもは混乱します。
「お父さんはこう言うけど、コーチはちがうことを言う」
これでは、誰を信じていいか分からなくなります。
技術の話は基本的にコーチや専門家に一本化し、家庭は"応援する場所"に専念する。
そのほうが、子どもは伸びやすくなります。
親の関わりでいちばん効くのは、技術よりも前向きな声かけのほうです。
それでも、"正しいフォーム"は親では見きれない
ここまで読んで、こう感じた方もいるかもしれません。
「教えすぎないほうがいいのは分かった。でも、直す所が分からない」
その悩みは、とても自然です。
なぜなら、投げているフォームの課題は、肉眼ではなかなか見つからないからです。
同じ「投げにくそう」でも、原因は子どもによってまったく違います。
肘なのか、体の開きなのか、下半身の使い方なのか。
そして、投げている本人も、自分のフォームは見えません。
だからこそ、一度"外からの目"で見てもらうことをおすすめします。
投Laboの無料フォーム分析では、送っていただいた動画から、お子さんの課題を1つにしぼってお伝えします。
直す所が1つに決まれば、家での練習も、ぐっと教えやすくなります。
「あれもこれも」と言ってケンカになることも、なくなっていきます。
まずは気軽に試してみてください。
まとめ
親が子どもに野球を教えるのが難しいのは、あなたのせいではありません。
- 距離が近く、比べてしまい、反発もされる——だから難しくて当たり前
- コツは「課題は1つ・過程をほめる・教えすぎない」
- 経験者ほど教えたくなるが、技術はコーチに一本化するほうが伸びる
- 正しいフォームは親では見きれない——動画で"外の目"を借りる
いちばん大切なのは、子どもが「野球が好き」でい続けることです。
その気持ちさえ守れれば、上達はあとからついてきます。
うまく教えられずに悩んだときは、親の声かけや伸び悩みの原因の記事もあわせてどうぞ。
一度、無料のフォーム分析で、直す所を1つに整理してみるのもおすすめです。
よくある質問
Q. 野球経験のない親でも、子どもに教えられますか?
はい、教えられます。むしろ、技術を細かく教えようとしなくて大丈夫です。
一緒にキャッチボールをして、できたことをほめる。それだけで、子どもは十分に伸びます。
技術的な課題は、動画で見てもらうほうが、経験のあるなしに関係なく正確です。
Q. 子どもが、私の言うことをまったく聞きません。
親に反発するのは、安心して甘えられる相手だからで、多くの子に見られることです。
家では「先生」になりすぎず、一緒に楽しむ役に回るのがおすすめです。技術の話はコーチや専門家に任せると、親子の関係もらくになります。
やる気そのものが下がっているときは、やる気が出ない子への関わり方も参考にしてください。
Q. コーチの教えと、私の考えがちがうときは?
技術面は、基本的にコーチに一本化するのがおすすめです。
家庭で"上書き"すると、子どもはどちらを信じていいか分からず混乱します。どうしても気になるときは、子どもの前ではなく、コーチや専門家に直接相談しましょう。
Q. たくさん練習させれば、上達しますか?
量だけを増やすのは、逆効果になることがあります。
疲れて崩れたフォームをくり返すと、悪いクセがしみつき、故障の原因にもなります(投げすぎのサインも参考に)。
短くても、課題を1つにしぼって集中する練習のほうが、ずっと力になります。