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野球のオフシーズンの過ごし方|小・中学生が冬に球速の"土台"をつくる

公開 2026.08.09投手専門コーチ 野村亮太

冬の夕暮れのグラウンドで、少年野球のユニフォームを着た選手が一人、白い息をはきながら静かに立っている後ろ姿。背景は葉の落ちた木立と霜の降りた芝。顔は帽子と逆光で特定できない

試合が少なくなる冬。「この時期、うちの子は何をさせればいいんだろう」と迷っていませんか。

まわりのチームが走り込みや投げ込みをしていると、「うちも同じようにやらせないと遅れるのでは」と、つい心配になりますよね。

でも、冬の過ごし方しだいで、春からの伸びは大きく変わります。

こんにちは。投手専門オンライン野球塾・投Laboの野村亮太です。

元独立リーガーの左投手として、また指導者として、多くの小・中学生投手の「オフの過ごし方」を見てきました。

この記事では、冬に何をすればいいのかを、球速アップの"土台づくり"という視点で、野球未経験の保護者にもわかるようにやさしく解説します。

結論: オフシーズンは、球速の"土台"をつくる一番のチャンスです。冬にやりたいのは、投げ込み・走り込みで数をこなすことより、①体づくり ②体の柔らかさ ③フォームの見直し、そしてしっかり休むこと。土台が高いほど、春からの球速はぐんと伸びます。

なぜオフシーズンが「一番大事」なのか

シーズン中は試合が続き、じっくり体やフォームをつくり直す時間がなかなか取れません。

だからこそ、試合の少ないオフシーズンは、土台をつくり直せる貴重な時期です。

プロの投手でも、大きなフォームの改造はシーズン中ではなく、オフにじっくり取り組むのが一般的です。

冬の"土台づくり"がその先の球速を決める、という考え方を示したイメージ図。時間の流れを冬・春・シーズンの3つに分け、球速の伸びを上向きの曲線で表す。冬に体づくり・柔らかさ・フォームの土台をつくった子は曲線が大きく上がり、投げ込みや走り込みだけで土台をつくらなかった子は途中で頭打ちになることを示している。数字ではなく考え方を表したイメージ図

上の図のように、冬に土台をつくれた子は、春からの伸びしろが大きくなります。

反対に、土台をつくらないまま数だけをこなすと、途中で頭打ちになりやすいのです。

冬にやりたいこと①:体づくり

球速は、腕の力だけでなく、下半身から体全体を連動させて生まれます下半身の使い方)。

その体を、無理なくつくっていくのがオフの体づくりです。

ただし、小・中学生に重いウェイトトレーニングは急ぎません。まずは自分の体重を使ったトレーニングが主役です。

  • 体幹(プランク=うつ伏せで体を一直線に支える姿勢など)を鍛え、力が逃げない体をつくる
  • お尻・もも裏など下半身を、片脚のトレーニングで鍛える
  • なわとびやダッシュで、瞬発力・体の使い方を高める

くわしいメニューは小・中学生の自重トレーニングにまとめています。

成長期は、力を強くすること以上に、体を上手に動かす感覚を育てる時期です。詰め込みすぎず、遊びの延長くらいの気持ちで十分です。

冬にやりたいこと②:体の柔らかさ

体が硬いと、力がうまく伝わらず、別のところが無理をして怪我につながります。

だからオフのうちに、肩甲骨(背中側の肩の骨)・胸まわり・股関節の柔らかさを取り戻しておきたいのです。

柔らかさは、球速アップと怪我予防の両方を同時に底上げしてくれます(球速に効く柔軟性)。

お風呂上がりに、ゆっくり伸ばすストレッチを習慣にするだけでも変わります。毎日少しずつ続けるのがコツです。

冬にやりたいこと③:フォームの見直し

試合が続く時期は、勝ち負けに気を取られて、フォームをじっくり直す余裕がありません。

フォームをつくり直すなら、オフが一番のチャンスです。

このとき役立つのが、ボールを投げずにフォームだけを確かめるシャドーピッチングです。

  • 球数を増やさずに、良い動きをていねいにしみ込ませられる
  • 「速く」ではなく「ゆっくり正しく」を意識できる
  • 肩・ひじに負担をかけずに、回数を積める

数を投げてフォームを固めるより、良い動きをくり返すほうが近道です(全力で投げないほうが速くなる)。

よくある誤解=「冬こそ投げ込み・走り込み」

「冬は根性で投げ込め・走り込め」——今もよく聞く言葉です。

でも、ここには落とし穴があります。

冬の寒い体で無理に投げ込むと、フォームが崩れたまま数を重ね、悪い癖と肩・ひじの故障につながりやすくなります(投げ込みは量より質)。

長い距離の走り込みも、それだけでは球速には直結しません(走り込みは必要?)。

大事なのは「量」ではなく「目的」です。冬にやることを整理すると、こうなります。

土台をつくる冬数をこなすだけの冬
中心体づくり・柔らかさ・フォーム投げ込み・長距離の走り込み
ボール投げすぎない・シャドー中心とにかくたくさん投げる
休養も練習のうち疲れてもがんばる
春から土台が高く伸びやすい疲れ・故障で頭打ち

「休む」ことも冬の大事な練習

見落とされがちですが、しっかり休むことも、立派なオフの過ごし方です。

シーズン中に投げ続けた肩・ひじは、疲れがたまっています。

冬のあいだに一度しっかり休ませることで、体はリセットされ、春から元気に動き出せます(子どもの投げすぎサインと休養)。

睡眠と食事も、体づくりの土台です。よく寝て、よく食べる。これも大切な"練習"だと考えてください(成長期の食事と回復)。

痛み・張り・違和感が続くときは、無理に冬のメニューを続けず、整形外科(できればスポーツ整形)に相談してください。

投Laboが考える「オフの過ごし方」

僕自身、体が小さく非力な左投手でしたが、冬にひたすら投げ込んで速くなったわけではありません(体が小さい投手の戦い方)。

むしろ、力を抜いて、体づくりと良い動きをていねいに積み重ねた冬が、春からの伸びをつくってくれました。

投Laboが大切にしているのは、「とにかく投げ込め」という根性論ではなく、怪我をさせずに・課題を1つずつ・良い動きを整えることです。

そして、フォームが崩れているかどうかは、投げている本人にも、外から見ている親御さんにも、意外と気づきにくいものです。

投Laboでは、スマホで撮った投球動画を投手専門コーチが分析し、保護者向け+お子様向けの2部構成レポートでお返しします。

オフのあいだに一度フォームを整えておくと、春からのスタートが変わります。まずはスマホでのフォーム動画の撮り方から確認してみてください。

初回の動画分析は無料です。この冬、お子さんの土台づくりを、フォームの客観チェックから始めてみませんか。

まとめ

  • オフシーズンは、球速の"土台"をつくる一番のチャンス。
  • 冬にやりたいのは①体づくり ②体の柔らかさ ③フォームの見直し。重いウェイトや投げ込みは急がない。
  • 「冬こそ投げ込み・走り込み」は落とし穴。崩れた動きの反復は、悪い癖と故障につながる。
  • しっかり休む・よく寝る・よく食べることも、立派な冬の練習。
  • 大事なのは量ではなく目的。土台が高いほど、春からの球速は伸びる。

まわりと同じ数をこなすことより、この冬にお子さんの体とフォームを一段ととのえてあげることが、春からの一番の近道です。

よくある質問

Q. オフシーズンは、まったく投げなくてもいいですか?

「一球も投げてはいけない」という意味ではありません。近い距離のキャッチボールなどで、体の感覚を保つのは大切です。

ただ、冬に球数を追う必要はありません。ボールを投げる代わりに、シャドーピッチング(ボールを持たずにフォームだけを確かめる練習)で動きをていねいに確かめるほうが、良い動きをしみ込ませられます。

痛みや張りが出るほど投げるのは、上達でも根性でもありません。まずは体づくりと柔らかさを優先しましょう。

Q. 小学生でも筋トレをさせて大丈夫ですか?

自分の体重を使ったトレーニング(体幹・片脚のバランス系など)であれば、遊びの延長として取り入れて大丈夫です。

一方で、重いバーベルなどのウェイトトレーニングは急ぎません。成長期は、力を強くすること以上に、体を上手に動かす感覚を育てる時期だからです。

くわしくは小・中学生の自重トレーニングをご覧ください。

Q. 冬にいちばん優先することは何ですか?

一度にあれもこれもやろうとせず、課題を1つに絞るのがコツです。

体が硬い子は柔らかさ、フォームが気になる子はシャドーピッチング、というように、お子さんに合った"いちばんの土台"から始めてください。

自分の子に何が足りないかが分かりにくいときは、初回無料の動画分析で、フォームを客観的に見るところから始めるのがおすすめです。

Q. 冬に球速は落ちませんか?

試合や全力投球が減る冬は、一時的に球のスピードが出にくく感じることがあります。これは自然なことなので、心配しすぎないでください。

大切なのは、冬のあいだに体づくりと柔らかさ、フォームの土台を積んでおくことです。土台が高いほど、春からの球速はしっかり戻り、さらに伸びていきます(球速を上げる方法)。