子どもが野球でボールを怖がる|原因と、怖さをやわらげる練習のコツ

キャッチボールで、ボールから顔をそむけてしまう。
投げるときも、こわごわ手を出している。
そんなお子さんの様子を見て、「うちの子は野球に向いていないのかな」と不安になっていませんか。
こんにちは。投手専門オンライン野球塾・投Laboの野村亮太です。
私は元独立リーガー(独立リーグでプレーした)の左投手で、今は指導者として、たくさんの子どもたちと向き合ってきました。
この記事では、ボールを怖がる原因と、家でできる練習・声かけのコツを、野球未経験の保護者にもわかるようにお伝えします。
結論: 「ボールが怖い」は、性格や根性の問題ではありません。
- 速いボールを怖いと感じるのは、だれにでもある自然な反応です
- 怖さは大きく2つ。**「捕るのが怖い」と「投げるのが怖い」**で原因が違います
- 直し方は根性ではなく、やわらかいボールで、近くから、成功体験を積むこと
- 速い球で無理に慣れさせるのは逆効果。あせらせず、怒鳴らないことが近道です
「ボールが怖い」は、だれにでもある自然な反応
まず、いちばんに知ってほしいことがあります。
小さくてかたいボールが、速いスピードで向かってくる。
それを「怖い」と感じるのは、人として当たり前の反応です。
体を守ろうとして、自然に目をつぶったり、顔をそむけたりします。
つまり、怖がるのは気持ちが弱いからでも、才能がないからでもありません。
まだ「痛くなかった」「うまく捕れた」という経験が、足りていないだけです。
だから、必要なのは根性で慣れさせることではありません。
怖くない環境で、成功体験を少しずつ積むことです。
怖さには2種類ある——まず原因を分ける
「ボールが怖い」と言っても、中身は一つではありません。
大きく分けると、次の2つです。
原因が違えば、やることも変わります。まずはどちらなのかを見てあげてください。
① 捕るのが怖い
飛んでくるボールを、こわがって避けてしまうタイプです。
多いのは、次のような状態です。
- ボールが当たって痛かった記憶がある
- 捕り方(グラブの出し方)がイメージできていない
- 怖くて目をつぶる、ボールから目を切る(目を離す)
目を切る(目を離す)と、ボールとグラブの距離感がわからず、うまく捕れません。
すると「また捕れなかった」と、怖さがさらに強くなります。
② 投げるのが怖い
思いきり投げられず、こわごわ手を出すタイプです。
これは「暴投したらどうしよう」という不安が背景にあります。
- 相手に当ててしまった経験がある
- コントロールに自信がない
- 「ちゃんと投げなきゃ」と力んでしまう
力むほど、腕だけの投げ方になり、ますますねらいが定まりません。
この「投げる怖さ」は、じつは投げ方のクセが関わっていることがあります。くわしくは後半でお話しします。
怖さをやわらげる、練習のステップ
ここからが本題です。
怖さは、正しい順番で練習すれば、少しずつやわらいでいきます。
ポイントは、「痛くない」「できた」を積み重ねることです。
具体的には、こんな順番がおすすめです。
- やわらかいボールから始める — スポンジボールや、新聞紙を丸めたボールなら、当たっても痛くありません
- 近い距離で、ゆっくり — 数歩の距離から、下から山なりにふわっと。捕る成功体験を先に作ります
- 捕り方を教える — 顔の少し前で、グラブの面をボールに向ける。手を「前に」出して迎えにいくのがコツです
- できたら、その場でほめる — 「今の捕り方よかったよ」と、できた動きを具体的に認めます
大事なのは、距離やスピードを一気に上げないことです。
「できた」がしっかり増えてから、少しずつ距離を伸ばしていきます。
この積み重ねが、いちばんの近道になります。
やってはいけない、逆効果の接し方
よかれと思ってやったことが、怖さを強めてしまうこともあります。
次の3つは、できるだけ避けてください。
- 速い打球や強い球で「慣れさせる」 — 恐怖が上書きされ、逆効果になりやすいやり方です
- 捕れないこと・避けることを叱る — 「怖い」が「怒られる」と結びつき、野球そのものが嫌になります
- 上達を急ぐ — あせりは子どもに伝わります。力んで、さらにぎこちなくなります
怖がっている子に必要なのは、「早く慣れろ」ではありません。
「大丈夫、痛くないよ」と、安心させてあげることです。
投Laboは、こうした**「根性で慣れさせる」やり方をとりません**。
「投げるのが怖い」の裏にある、フォームのこと
ここで、投げる怖さについてもう少しお話しします。
「暴投が怖い」「うまく投げられない」——その背景には、投げ方のクセがかくれていることがあります。
たとえば、腕だけで投げていると、ボールはねらったところへいきません。
すると、こんな悪循環に入りやすくなります。
- 腕だけで投げる → ねらいが定まらない
- 自信がなくなる → 投げるのが怖くなる
- 怖くて力む → もっとバラつく
この悪循環に入っている子は、少なくありません。
しかも腕だけの投げ方は、肩やひじにも負担がかかりやすいのです。
ここで知っておいてほしいことがあります。
怖さの原因は、一人ひとり違います。
同じ「投げるのが怖い」でも、体の開きが早い(胸が早く正面を向く)子もいます。力の入れどころがずれている子もいます。
そして、自分が投げている姿は、本人からは見えません。
だからこそ、動画で「今の投げ方」を外から見てあげることが、近道になります。
投Laboが考える「怖さの減らし方」
私自身、体が小さく非力な左投手でした。
うまくいかず、投げるのがこわく感じた時期もあります。
そこから抜け出せたのは、たくさん投げたからではありません。
自分の課題を1つに絞って、そこだけを直したからです。
投Laboでは、スマホで撮った投球動画を、投手専門コーチが分析します。
そして、いちばん効く課題を1つに絞り、保護者向け+お子様向けの2部構成レポートでお返しします。
「うちの子は、なぜ投げるのを怖がるの?」——その入り口が、動画分析です。
まずはスマホでのフォーム動画の撮り方を参考に、お子さんの「今」を見てみませんか。初回の動画分析は無料です。
まとめ
- 「ボールが怖い」は、だれにでもある自然な反応。性格や根性の問題ではない。
- 怖さは2種類。**「捕るのが怖い」と「投げるのが怖い」**で原因が違う。
- 直し方は、やわらかいボールで、近くから、成功体験を積むこと。
- 速い球で慣れさせる・叱る・急ぐは逆効果。安心させることが近道。
- 「投げるのが怖い」の裏には投げ方のクセが隠れていることも。動画で外から見ると近道になる。
ボールを怖がるのは、今だけのことです。
小さな「できた」を一緒に積み重ねて、あせらず見守ってあげてください。
よくある質問
Q. ボールを怖がるうちの子は、野球に向いていないのでしょうか?
そんなことはありません。怖がるのは、人としてごく自然な反応です。
まだ「痛くない」「捕れた」という経験が足りていないだけです。
やわらかいボールと近い距離から成功体験を積めば、怖さは少しずつやわらいでいきます。
Q. 早く慣れさせたくて、速いボールで練習させています。大丈夫ですか?
じつは、逆効果になりやすいやり方です。
速い球で怖い思いをすると、恐怖がさらに上書きされてしまいます。
急がば回れで、当たっても痛くないボールから、ゆっくり始めてあげてください。
Q. 家では何から練習すればいいですか?
まずはキャッチボールを、やわらかいボールと数歩の距離から始めてください。
顔の少し前でグラブの面を向け、手を前に出して迎えにいくのがコツです。
捕れたらすぐにほめて、「できた」を増やしていきましょう。
Q. 投げるのを怖がります。気持ちの問題でしょうか?
気持ちだけとは限りません。
腕だけの投げ方でコントロールが安定せず、それが不安につながっていることもあります。くわしくはコントロールを良くする方法も参考にしてください。
投げ方のクセは本人からは見えないので、動画で見てあげると原因がはっきりします。