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子どもが野球でボールを怖がる|原因と、怖さをやわらげる練習のコツ

公開 2026.09.02投手専門コーチ 野村亮太

夕方近くのやわらかい逆光が差す屋外の練習グラウンドで、無地の白いユニフォームと紺色の帽子を身につけた少年を後ろ斜めから見た姿。グラブをはめた手を前へ伸ばし、左から飛んでくる白いボールをおそるおそる受け止めようとしている。奥にはフェンス・木立・数人の子どもがやわらかくぼけている。顔は帽子と後ろ向きで特定できない

キャッチボールで、ボールから顔をそむけてしまう。

投げるときも、こわごわ手を出している。

そんなお子さんの様子を見て、「うちの子は野球に向いていないのかな」と不安になっていませんか。

こんにちは。投手専門オンライン野球塾・投Laboの野村亮太です。

私は元独立リーガー(独立リーグでプレーした)の左投手で、今は指導者として、たくさんの子どもたちと向き合ってきました。

この記事では、ボールを怖がる原因と、家でできる練習・声かけのコツを、野球未経験の保護者にもわかるようにお伝えします。

結論: 「ボールが怖い」は、性格や根性の問題ではありません。

  • 速いボールを怖いと感じるのは、だれにでもある自然な反応です
  • 怖さは大きく2つ。**「捕るのが怖い」と「投げるのが怖い」**で原因が違います
  • 直し方は根性ではなく、やわらかいボールで、近くから、成功体験を積むこと
  • 速い球で無理に慣れさせるのは逆効果。あせらせず、怒鳴らないことが近道です

「ボールが怖い」は、だれにでもある自然な反応

まず、いちばんに知ってほしいことがあります。

小さくてかたいボールが、速いスピードで向かってくる。

それを「怖い」と感じるのは、人として当たり前の反応です。

体を守ろうとして、自然に目をつぶったり、顔をそむけたりします。

つまり、怖がるのは気持ちが弱いからでも、才能がないからでもありません。

まだ「痛くなかった」「うまく捕れた」という経験が、足りていないだけです。

だから、必要なのは根性で慣れさせることではありません。

怖くない環境で、成功体験を少しずつ積むことです。

怖さには2種類ある——まず原因を分ける

「ボールが怖い」と言っても、中身は一つではありません。

大きく分けると、次の2つです。

原因が違えば、やることも変わります。まずはどちらなのかを見てあげてください。

① 捕るのが怖い

飛んでくるボールを、こわがって避けてしまうタイプです。

多いのは、次のような状態です。

  • ボールが当たって痛かった記憶がある
  • 捕り方(グラブの出し方)がイメージできていない
  • 怖くて目をつぶる、ボールから目を切る(目を離す)

目を切る(目を離す)と、ボールとグラブの距離感がわからず、うまく捕れません。

すると「また捕れなかった」と、怖さがさらに強くなります。

② 投げるのが怖い

思いきり投げられず、こわごわ手を出すタイプです。

これは「暴投したらどうしよう」という不安が背景にあります。

  • 相手に当ててしまった経験がある
  • コントロールに自信がない
  • 「ちゃんと投げなきゃ」と力んでしまう

力むほど、腕だけの投げ方になり、ますますねらいが定まりません。

この「投げる怖さ」は、じつは投げ方のクセが関わっていることがあります。くわしくは後半でお話しします。

怖さをやわらげる、練習のステップ

ここからが本題です。

怖さは、正しい順番で練習すれば、少しずつやわらいでいきます。

ポイントは、「痛くない」「できた」を積み重ねることです。

左右2枚のパネルで、ボールへの怖さが「強くなるやり方」と「やわらぐやり方」を比べた図。左の×パネルには「いきなり速い球」「かたいボールで練習」「捕れないと叱る」「上達を急ぐ」と並び、右の○パネルには「まずはやわらかい球」「近い距離からゆっくり」「捕れたらすぐほめる」「1つできたら次へ」と並ぶ。中央に上向きの矢印で「小さな『できた』を積み重ねる」と書かれている

具体的には、こんな順番がおすすめです。

  1. やわらかいボールから始める — スポンジボールや、新聞紙を丸めたボールなら、当たっても痛くありません
  2. 近い距離で、ゆっくり — 数歩の距離から、下から山なりにふわっと。捕る成功体験を先に作ります
  3. 捕り方を教える — 顔の少し前で、グラブの面をボールに向ける。手を「前に」出して迎えにいくのがコツです
  4. できたら、その場でほめる — 「今の捕り方よかったよ」と、できた動きを具体的に認めます

大事なのは、距離やスピードを一気に上げないことです。

「できた」がしっかり増えてから、少しずつ距離を伸ばしていきます。

この積み重ねが、いちばんの近道になります。

やってはいけない、逆効果の接し方

よかれと思ってやったことが、怖さを強めてしまうこともあります。

次の3つは、できるだけ避けてください。

  • 速い打球や強い球で「慣れさせる」 — 恐怖が上書きされ、逆効果になりやすいやり方です
  • 捕れないこと・避けることを叱る — 「怖い」が「怒られる」と結びつき、野球そのものが嫌になります
  • 上達を急ぐ — あせりは子どもに伝わります。力んで、さらにぎこちなくなります

怖がっている子に必要なのは、「早く慣れろ」ではありません。

「大丈夫、痛くないよ」と、安心させてあげることです。

投Laboは、こうした**「根性で慣れさせる」やり方をとりません**。

「投げるのが怖い」の裏にある、フォームのこと

ここで、投げる怖さについてもう少しお話しします。

「暴投が怖い」「うまく投げられない」——その背景には、投げ方のクセがかくれていることがあります。

たとえば、腕だけで投げていると、ボールはねらったところへいきません。

すると、こんな悪循環に入りやすくなります。

  • 腕だけで投げる → ねらいが定まらない
  • 自信がなくなる → 投げるのが怖くなる
  • 怖くて力む → もっとバラつく

この悪循環に入っている子は、少なくありません。

しかも腕だけの投げ方は、肩やひじにも負担がかかりやすいのです。

ここで知っておいてほしいことがあります。

怖さの原因は、一人ひとり違います。

同じ「投げるのが怖い」でも、体の開きが早い(胸が早く正面を向く)子もいます。力の入れどころがずれている子もいます。

そして、自分が投げている姿は、本人からは見えません。

だからこそ、動画で「今の投げ方」を外から見てあげることが、近道になります。

投Laboが考える「怖さの減らし方」

私自身、体が小さく非力な左投手でした。

うまくいかず、投げるのがこわく感じた時期もあります。

そこから抜け出せたのは、たくさん投げたからではありません。

自分の課題を1つに絞って、そこだけを直したからです。

投Laboでは、スマホで撮った投球動画を、投手専門コーチが分析します。

そして、いちばん効く課題を1つに絞り、保護者向け+お子様向けの2部構成レポートでお返しします。

「うちの子は、なぜ投げるのを怖がるの?」——その入り口が、動画分析です。

まずはスマホでのフォーム動画の撮り方を参考に、お子さんの「今」を見てみませんか。初回の動画分析は無料です。

まとめ

  • 「ボールが怖い」は、だれにでもある自然な反応。性格や根性の問題ではない。
  • 怖さは2種類。**「捕るのが怖い」と「投げるのが怖い」**で原因が違う。
  • 直し方は、やわらかいボールで、近くから、成功体験を積むこと。
  • 速い球で慣れさせる・叱る・急ぐは逆効果。安心させることが近道。
  • 「投げるのが怖い」の裏には投げ方のクセが隠れていることも。動画で外から見ると近道になる。

ボールを怖がるのは、今だけのことです。

小さな「できた」を一緒に積み重ねて、あせらず見守ってあげてください。

よくある質問

Q. ボールを怖がるうちの子は、野球に向いていないのでしょうか?

そんなことはありません。怖がるのは、人としてごく自然な反応です。

まだ「痛くない」「捕れた」という経験が足りていないだけです。

やわらかいボールと近い距離から成功体験を積めば、怖さは少しずつやわらいでいきます。

Q. 早く慣れさせたくて、速いボールで練習させています。大丈夫ですか?

じつは、逆効果になりやすいやり方です。

速い球で怖い思いをすると、恐怖がさらに上書きされてしまいます。

急がば回れで、当たっても痛くないボールから、ゆっくり始めてあげてください。

Q. 家では何から練習すればいいですか?

まずはキャッチボールを、やわらかいボールと数歩の距離から始めてください。

顔の少し前でグラブの面を向け、手を前に出して迎えにいくのがコツです。

捕れたらすぐにほめて、「できた」を増やしていきましょう。

Q. 投げるのを怖がります。気持ちの問題でしょうか?

気持ちだけとは限りません。

腕だけの投げ方でコントロールが安定せず、それが不安につながっていることもあります。くわしくはコントロールを良くする方法も参考にしてください。

投げ方のクセは本人からは見えないので、動画で見てあげると原因がはっきりします。