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子どものボールの投げ方がおかしい・ぎこちない原因|直し方と親ができること

公開 2026.08.24投手専門コーチ 野村亮太

曇りの午前のやわらかい光がさす広い土のグラウンドで、無地の紺色の半袖・グレーのパンツ・紺色の帽子・紺のソックス・黒いスパイクを身につけた少年野球の選手が1人、投球の動作の途中をとらえられている。右手でボールを頭の後ろに構え、左手にはめた茶色いグローブを前へ向け、足を大きく踏み出したワイドなスタンス。カメラは少年の斜め後ろから写しており、背景のフェンスと木立はやわらかくぼけている。顔は後ろ姿と帽子のつばで特定できない

「うちの子、投げ方がなんだか変かも」。

「まわりの子とくらべて、ぎこちない気がする」。

そんなお子さんの様子を見て、不安になっていませんか。

こんにちは。投手専門オンライン野球塾・投Laboの野村亮太です。

私は元独立リーガーの左投手で、今はコーチとして、たくさんの子の投げ方を見てきました。

この記事では、ぎこちない投げ方に多い原因と、家で親ができることを、野球未経験の保護者にもわかるようにお伝えします。

結論: 投げ方がぎこちないのは、才能のせいではありません。多くは、まだ体の使い方に慣れていないだけです。よく見られる原因は、次の4つです。

  • 腕だけで投げている(手投げ)
  • 体(胸・肩)が早く開いてしまう
  • ひじが下がっている・ボールを担いでいる
  • 踏み出す足の向きや体重移動がバラバラ

どれか1つのことも、いくつか重なることもあります。そして原因は、子どもによってちがいます。

「投げ方がおかしい」の多くは、才能ではない

まず、安心してください。

投げ方がぎこちなくても、運動神経が悪いわけではありません。

ボールを投げる動きは、じつはとても複雑です。

下半身から体、腕へと、力を順番に伝えて投げます。

この体の使い方は、生まれつきできるものではありません。

正しい形を知って、くり返すうちに、少しずつ身についていきます。

だから「投げ方が変」の多くは、まだ投げ方の"型"(正しい形)を教わっていない・慣れていないだけのことがほとんどです。

※もし投げると痛がる、他の動きも極端にぎこちない、といった心配があるときは、自己判断せず、かかりつけ医などに相談してください。この記事では野球の「投げ方」にしぼってお話しします。

ぎこちない投げ方に多い「4つの原因」

投げ方が「なんだか変」と感じるとき、原因は大きく4つに分けられます。

たくさんの子を見てきて、とくに多いものをまとめました。

① 腕だけで投げている(手投げ)

いちばん多いのが、これです。

下半身や体を使わず、腕の力だけで投げる状態を「手投げ」と呼びます。

腕だけで振ると、動きがぎこちなく、弱々しく見えます。

球にスピードや勢いが出ず、肩やひじにも負担がかかります。

本当は、腕は「振る」より「振られる」もの。

下半身と体の回転で、腕が自然についてくるのが理想です。

くわしくは手投げの直し方で解説しています。

② 体(胸・肩)が早く開いてしまう

次に多いのが、「体の開き」です。

投げる方向へ、胸や肩が早く向いてしまう状態をいいます。

体が早く開くと、腕が遅れて出てきます。

だから動きがバラバラに見え、コントロールも定まりません。

グラブ側の腕(ボールを持たないほうの手)をうまく使い、ぎりぎりまで開かないことがポイントです。

くわしくは体が開く原因と直し方へ。

③ ひじが下がっている・ボールを担いでいる

投げるときに、ひじが肩より下がっていないでしょうか。

ひじが下がると、腕に無理な力がかかります。

その結果、動きがぎこちなくなり、肩やひじのケガにもつながりやすくなります。

ボールを頭の後ろへ大きく引きすぎる「担ぎ込み」のクセも、ひじ下がりの原因のひとつ。

くわしくは肘が下がる原因と直し方へ。

④ 踏み出す足の向き・体重移動がバラバラ

投げるときに前へ出す足を「踏み出し足」といいます。

この足の向きや、体重の移し方がバラつくと、投げ方全体が安定しません。

つま先がホームの方向を向き、体重をなめらかに移せると、動きが落ち着きます。

くわしくは踏み出し足の向きへ。

投げ方のぎこちなさを見直す順番を4ステップで示した図解。ステップ1「なめらかな投げ方の全体像を知る(下半身→体→腕の流れ)」、ステップ2「体の向きと踏み出す足をそろえる」、ステップ3「腕は最後・手投げを見直す」、ステップ4「それでも分からなければ動画で外の目でチェック」。各ステップが矢印でつながり、最後だけ色を変えて動画チェックへ導いている

大切なのは、原因は1つとはかぎらないということ。

いくつか重なっていることも、めずらしくありません。

家で親ができること——順番に、1つずつ

原因がわかっても、あれもこれもと直そうとすると、子どもは混乱します。

投Laboがおすすめするのは、直す課題を1つにしぼること。

あせらず、次の順番で見ていきましょう。

  1. まず、正しい投げ方の"全体像"を知る 細かい部分より先に、体全体の流れをつかみます。→正しい投球フォームの基本
  2. 近い距離で、ゆっくり正確に 強く遠くよりも、相手の胸へていねいに。キャッチボールが最高の練習になります。→キャッチボールの正しいやり方
  3. 下半身から動く感覚を育てる 腕から始めず、足から体の回転で投げる感覚をつかみます。→下半身の使い方
  4. 気になる1点だけを、やさしく声かけ むずかしい言葉より、子が動きやすい言葉で伝えます。

声かけは、言い方ひとつで動きが変わります。

やりがちな声かけを、○と×で見てみましょう。

場面✕ 伝わりにくい○ 動きやすい
ひじが下がる「ひじを上げろ」「胸を張って、遠くを見て」
手投げ「腕を強く振れ」「足から動いてごらん」
体が開く「開くな」「おへそを最後まで残して」

「こうするな」より「こうしてみよう」のほうが、子どもは動きやすくなります。

「たくさん投げれば直る」は、逆効果になることも

「とにかく数を投げれば、そのうち直る」。

そう考えたくなりますが、ここは注意が必要です。

疲れた状態で投げ続けると、崩れた動きが体にしみ込みます。

悪いクセを固めてしまい、ケガの原因にもなりかねません。→投げすぎのサイン

大事なのは、量ではなく質です。

正しい形を、少ない数でていねいにくり返す。

そのほうが、ぎこちなさを直す近道になります。

私自身、体が大きいほうではなく、独立リーグでは非力な左腕でした。

それでも投げ続けられたのは、力任せではなく、体を効率よく使うフォームを覚えたから。

だから断言できます。ぎこちなさは、根性ではなく"正しい順番"で直っていきます。

それでも「なんだか変」が消えないときは

ここまで読んで、こう感じた方も多いはずです。

「原因が4つもあって、うちの子がどれなのか分からない」。

その感覚は、とても自然なものです。

じつは、投げ方の原因は子どもによってちがい、いくつも重なります

そして、いちばんやっかいなことがあります。

投げている本人も、見ている親御さんも、自分ではフォームを正確に見られないのです。

投げ方は、一瞬の動き。

肉眼では、どこが崩れているのか気づきにくいのです。→フォームの撮り方

だからこそ、スマホで撮った動画を、外の目で見てもらうことをおすすめします。

投Laboでは、投手専門のコーチが、お子さんの投げ方を動画で分析します。

初回の分析は無料です。

どこから直せばいいか、原因を1つにしぼってお伝えします。

気になったら、まずは気軽に試してみてください。

無料でフォーム分析を申し込む

まとめ

最後に、大切なポイントをふり返ります。

  • 投げ方のぎこちなさは、才能ではなく**"慣れ"と"型"**の問題であることがほとんど
  • 多い原因は手投げ・体の開き・ひじ下がり・足のバラつきの4つ
  • 原因は子どもによってちがい、いくつも重なることがある
  • 家では、課題を1つにしぼって、順番にやさしく
  • たくさん投げるより、少なく・ていねいにが近道
  • どこが崩れているかは自分では見えにくい→動画で外の目を借りる

あせらなくて大丈夫です。

正しい順番で見直せば、投げ方は必ず変わっていきます。

まずは、お子さんの"今の投げ方"を、いっしょに見てみませんか。

よくある質問

Q. 投げ方がおかしいのは、運動神経が悪いからですか?

いいえ、その多くは運動神経ではなく、体の使い方に「まだ慣れていない」だけです。ボールを投げる動きは複雑で、正しい形を知ってくり返すほど自然に身についていきます。今できないことは、これからできるようになります。

Q. 何歳から直せますか?早く教えたほうがいいですか?

年齢に決まりはありません。小学生でも、中学生でも、投げ方は見直せます。ただし、無理に矯正すると力んでしまうことがあります。まずは近い距離でのていねいなキャッチボールから、やさしく整えていきましょう。→キャッチボールの正しいやり方

Q. 家で親が教えると、かえって変なクセがつきませんか?

言い方に気をつければ大丈夫です。「こうするな」より「こうしてみよう」と伝え、直す点は1つにしぼりましょう。それでも不安なときは、投手専門のコーチが動画で客観的に見ることで、正しい方向を確認できます。

Q. どのくらいで良くなりますか?

個人差が大きく、一概には言えません。原因が1つなら早いこともありますし、いくつも重なっていれば時間がかかります。だからこそ、まず「今どこが崩れているか」を正しく知ることが、いちばんの近道になります。